【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜

困惑する私にもう一度ふっと笑ったルイは、強い眼差しを私に向け、小さな唇を動かした。


「キミの思う事は多分、ボクの思う事と同じだから。ボクもナルを救いたい。出来る事は同じでしょ?」


多くの時間を共にするルイだからこそ、考えが同じになるのだ。それが、彼と長い事心同士で繋がっているという意味にも捉えられて、心が二つ分になったようで心強い。


「そう仰って下さるなら、皆さんがその日まで揃っていなくては行けません。でも、今の現状だと欠けてしまう可能性があるというのは、分かりますよね」


現実を、私から突き付けるのは初めてだった。話の中でこういう言い回しをするのは、大概ルイか燭だったからだ。


突き付けられた現実に、柔らかかった成の表情が硬くなる。


「そう硬くならないで下さい。私にも考えがあります。聞いて頂けますね?」


自分でも言葉の語尾が強くなるのが分かった。多分、自分でこんなに驚いているのだから、成はもっと驚いている。


その証拠に、成は口の端を引き攣らせ、小声でただ「はい」と音を放つ。