【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜

「事件の概要はこうだ。この少女は日常的に虐待を受けていた。過去に負った治療痕からもそれは推測出来たみたい。……笑里ちゃん、失礼だけど、君は左の鎖骨の下の辺りに縫い痕が無いかい?」


燭の問いにハッとする。燭は勿論私の裸を見た事が無いのに、言い当てられたからだ。


「……あります。左の鎖骨から乳房にかけて、縫い痕が」


全容は見せられないが、ここは見せた方が成や里佳子、ここまで調べてくれた燭の為になるだろうと思い、ニットと中のインナーを引っ張りその引き攣った傷痕の一部を見せる。


「ずっと、小さい頃に無茶な遊びをしてつけたものだと思って特に気にも留めていなかったです……」


周りの同級生の女の子にも、昔木登りで作った蚯蚓脹れや自転車で転んで出来た傷痕があったから、その類だと思って疑問視していなかったが、思えばあれの多くは肘や膝だった。


「デリカシーの無い事を聞いてしまってごめんね。……もう、洋服戻して貰って大丈夫だよ」


少しだけ頬を赤らめた燭は眼鏡をかけ直す仕草をして私に良い、出来るだけ顔が隠れるようにと俯いてしまう。


それに対して里佳子が「スケベ野郎」とぶすくれて燭を叩いたのを見て、苦笑いしながら服を戻す。