【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜

「二年から二年半前、京都、未成年、殺人で調べた結果、一つの事件にたどり着いた。そして成から聞いた話……調べた事件の概要と一致する部分がとても多い」


「それって一体、何だったんだ……?」


里佳子の問いに対し「ちょっと待ってて」と一旦席を立ち上がった燭は、自身のリュックから一つのアルバムのようなものを持ち出す。


「これは何?アカリ」


「スクラップブックさ。図書館の新聞や週刊誌、ネットコラム、その事件に関するあらゆる記事を俺なりに纏めてみた」


開かれたアルバムには、燭の言う通り一つの事件に対しての様々な情報のコピーが保管され、大事な部分にはマーカーペンで分かりやすく線が引かれている。


「ほんの数時間でここまで……キミって、本当に凄いんだね、アカリ」


「いやぁ、ルイみたいにスパコンが頭にあるわけでも無ければ、リカちゃんみたいに機械に強いわけでもないから、やり方はアナログだけど俺にはこれしか方法無くて」


はは、と眉毛を下げて笑った燭だが、すぐに顔を引き締めて、付箋を貼っていた頁へと重たそうなアルバムを導く。


「俺の推測を話そう。俺が調べたこの事件は、女子中学生が正当防衛の末、母親を殺めてしまった悲劇の事件だ。それについて、一番真相に迫った記事がここにある」


躊躇いがちに震えた低音が、そっとこの場の空気を揺らした。