話を聞いている途中、どうにも涙が止まらないと言うように、燭がサラサラとした一筋の涙を落とした。
「うわ、あれ?なんで俺泣いているんだろう」
私達は勿論、燭自身にもその涙の理由は分からないようで、眼鏡を外して彫りの深い顔の瞳のパーツをゴシゴシと擦り一度は乾かすも、その瞳はまた一筋、潤う。
「分からない事も、あるんだね。心の全てが揃っているキミにも、分からない感情ってあるんだね」
ルイは心底その涙が不思議だったようで、燭の頬に触れて一筋の潤いの温もりを確かめると首を傾げた。
そんなルイに、燭は微笑みながら諭すように言葉を放つ。
「何言ってるの。笑里ちゃんや成みたいに感情が欠けていなくても、心なんて完成している人はいないよ。装備が揃っていても使い方の組み合わせが新しいと、人はそれが何なのか探求するもの。だから人は『楽しみ』というこの先を渇望するものじゃないか」
持ち合わせている側の燭の言葉に私やルイ、それから成はハッとする。
浮き彫りになった、見えないラインを里佳子や燭と私達三人の中で線引きしていた事実。
持っていない同士で同情し、自分達を卑下して彼等なら心の事は何でも感じられると、そう勝手に思い込んでいた。
でも本当はそれは間違いで、感情が揃っていたってそれは心の言わば装備でしかなく、それが組み合わさった時の使い道を、まだまだ生きる人全てが試行錯誤中なのだ。
「うわ、あれ?なんで俺泣いているんだろう」
私達は勿論、燭自身にもその涙の理由は分からないようで、眼鏡を外して彫りの深い顔の瞳のパーツをゴシゴシと擦り一度は乾かすも、その瞳はまた一筋、潤う。
「分からない事も、あるんだね。心の全てが揃っているキミにも、分からない感情ってあるんだね」
ルイは心底その涙が不思議だったようで、燭の頬に触れて一筋の潤いの温もりを確かめると首を傾げた。
そんなルイに、燭は微笑みながら諭すように言葉を放つ。
「何言ってるの。笑里ちゃんや成みたいに感情が欠けていなくても、心なんて完成している人はいないよ。装備が揃っていても使い方の組み合わせが新しいと、人はそれが何なのか探求するもの。だから人は『楽しみ』というこの先を渇望するものじゃないか」
持ち合わせている側の燭の言葉に私やルイ、それから成はハッとする。
浮き彫りになった、見えないラインを里佳子や燭と私達三人の中で線引きしていた事実。
持っていない同士で同情し、自分達を卑下して彼等なら心の事は何でも感じられると、そう勝手に思い込んでいた。
でも本当はそれは間違いで、感情が揃っていたってそれは心の言わば装備でしかなく、それが組み合わさった時の使い道を、まだまだ生きる人全てが試行錯誤中なのだ。



