【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜

「そろそろ話の続きをしようか。個人の重たい話はもう日中で終わったから、今度は成君のロマンチックな話と、笑里の過去について」


綻んだ空気は凍らぬまま、自然に、それはもう欠伸を落とすような気の抜けた音で成は微笑む。


普段は幼い印象の成だが、彼の柔らかな笑みと彩り鮮やかな声は、彼の印象をぐんと神聖な物にするから不思議だ。


「俺と笑里が初めて会ったのは、実は高校生になる前でね……」


先程二人で話した成の物寂しくも、彼を支えたという神様との神話は、緩やかにカーブして色を飛ばす。


そんな不思議な感覚を、多分この場の全員が共有していて、共有しているんだという考え方すら共有しているのだからまた不思議な気持ちになるという、言わば連鎖が起こっているよう。


どうして成があの時私を神様として選んでくれたかなんて、何度話を聞いても分からないけれど、空っぽで、孤独でありたかったあの時の成にとってはあの私は美しく見えたのだろう、皮肉な事に。