【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜

成は少しだけ間を置き、震える吐息を吐き出した。自然に伝う涙と、今にもしゃくり上げてしまいそうな震える声で、それでも、悲しい色の笑顔を浮かべながら言う。


「助けたいよ。そんなの当たり前だろう?けれど、どうしようも無い事だってあるじゃん。燭みたいに怒ってあげられない俺は、一緒に泣く事しか出来ないんだ。傷付きながら、希望に縋って生きるしか無いんだよ」


その言葉は、燭の想いの矢を跳ね返して加速させ、私に突き刺さったような気がした。


希望を持てない私だからこそ、どうしようも無い事に対して絶望していたのだと、気付かされたから。感情を捨て失せたふりをして絶望の感情に浸っていた狡猾な自分に、気付かされたから。


「それにね、俺もただただ我慢してる訳じゃないんだ。本当にヤバイ時を見極めて、たまに家から逃げ出すようにしてる。まぁ、父親の勤め先なんだけどね。カウンセリングと治療も受けられるから一石二鳥ってとこ」


ルイの調べた情報だと、確か成の父親は精神科医。しかも、警察絡みの仕事をしていると言っていたのを思い出す。