【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜

「俺も含め全員が、喧嘩の多い兄弟だって言い張ったおかげで、これは兄弟喧嘩の産物という事になった。差し傷も過去の傷跡も。兄はアメフトをやってて大柄だったし、余計疑われなくてね」


冷め切ったコーヒーを口にして喉を潤した成はふう、と一息ついた。


そんな成に対し立ち上がり、行動を起こしたのは意外な人物。


後ろに回り込み、スエットを奪い取り無理矢理成に被せたのは、燭。


「そんな愛、良く出来た偽物だろ。そんな物は本物じゃない」


「うん。分かってる。それでも俺達はそうする事でしかあの人を守れなかった」


何て悲しそうに、また、苦しそうに話すのだろう。


間違っていても、それでもそうする事しか出来なかった。守りたいと渇望して、望んだ事の先にはまた痛みしか無かったなんて見ていられないじゃないか。


「ナル、キミ達家族が愛によって犯した事は、結果何も解決していないんだよ。ナルは危険な状態のまま。このまま、ボク達が放っておけると思う?」


これまで黙って話を聞いていたルイが、眼光をぎらつかせ、睨むように成を見た。冷静且つ、否定のしようもない事実を突き付けながら。