朝食が済み、父は何も聞かぬままいつも通りラボへと引っ込んで行き、私達は五人でリビングへと取り残される。
「……なー、冬休みの宿題、手付けた?」
「五分で終わらせたけど、写させないよ。自力で解けるように教えてあげても良いけど」
何となく成にこれまでの事を聞きにくかったらしい里佳子は、違う話題を切り出してあっさりルイに切られてる。
「そうだよリカちゃん。ルイの模範解答写したところでリカちゃんの頭でそんなに問題解けてたら先生達が怪しむよ」
「それもそうだ……って燭ぃ!テメェこのインテリ眼鏡!本体に指紋付けてやる!」
苦し紛れの里佳子の出した話題を中心に、いつの間にか流れる空気がいつも通りに戻り、私も知らぬ間にくすくす笑っていた。
そうしていると視線が向けられているのに気付いて顔を上げると、成が私を見ながら楽しそうに喉仏を揺らす姿が映る。
その笑顔は、例えるなら木漏れ日が柔らかく肌に馴染むよう。
「俺が願った事は、少なからず叶ってるんだなぁ。だから、悲観的になる必要なんか全然無いんだよな。……ねぇ、俺の話を少しだけ聞いてくれないかな」
あまりにも柔らかく木漏れ日が落ちて来て、私も、じゃれ合っていた里佳子もナルも、そしてルイも、吸い込まれるように成を見て、そして耳を立てた。



