繰り返されたらしい二度目のその意志に、クラスメイトのほとんどは難色を示した表情へとみるみる変わった。


それだけ、私は腫れ物扱いなのだ。


いつ、どんな時も笑う事も怒る事も悲しむ事も無い私を、クラスメイトは気味悪がっている。


それこそ、平気で話しかける嶋山成や物怖じしない御堂里佳子の方がよっぽど珍しい存在で、ほとんどの生徒は私を別の生き物のように思っているのだ。


ルイが転校してきてからルイを知る為に話しかけていた女の子達も、自分達を相手にしない私に改めて気味悪がって影でコソコソと何か言っていたし、とにかく、私はそういう扱いの人間なのだろう。


流石に美貌の転校生ルイが私と同じ班が良いと言っても、誰も他に組みたがる人はいるわけが無い。


そう高を括っていたのに、予期せぬ方向に、話は動き出す。


「じゃあさー、俺もその班に入っていーい?ルイと仲良くなる機会欲しいし!」


「し、嶋山、君」


このクラスの実権を握る男、嶋山成のその発言に、クラスメイト達は更に難色を示し、嫌なざわつきを見せる。


当の本人は両頬に笑窪を作ってニコニコしている。そこに変な意図は感じられず、心底ルイと仲良くなる事が目的なのだろうと思わざるを得ない。