【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜

尋ねられたルイは、高速で里佳子への問題を手書きしていた手を止めて顔を上げる。


「どうかな。ボクは多分、キミ達が高校を卒業した後には役目を果たしていると思うから、その後の事なんてプログラムされて無いし、どうなるかは分からない。プログラムは停止され、ボクというヒューマノイドロボットは機能しなくなるのかもね」


ルイの、まだ明かされていない『役目』はルイの中で卒業までには果たされている事らしい。


その後どうなるか、研究用に生かされるのか、役目を果たして壊されてしまうのか、そんな事は自分には関係無いような口ぶりのルイだけど、その一言で、里佳子や、成や、燭の手が止まり視線がルイに集まった。


「止めてよルイ。そんな悲しい事、言わないでくれよ。俺は君かロボットでも、大事な友人だから失いたくないよ」


「大事な、友人……失いたくない。ボクを、そう思ってくれるの?」


搭載された機能で、芽生えた心で精一杯に燭の言葉の意味を考えたルイは、それでも答えが曖昧なまま、首を傾げる。


「このクソポンコツ!あのな、アタシら全員お前の事もうダチだと思ってんの!だから、お前は生きたいと思え!それが進路で決定!」


湿っぽいのが苦手な里佳子の直球ストレートの言葉と軽いパンチを胸に受けて、ルイはふわりと人間臭く微笑む。


「ありがとう。じゃあ、ボクの進路は生きる事だね」


あまりにも美しい微笑みに、全員が息を呑み見惚れる。だけど、その微笑みはどこか寂しげな気がして、胸の奥がざわざわした。