【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜




「成はやっぱり進学は理系?」


「おー、他がダメだから出来れば私立に推薦でとは考えてるよ。燭は国立だよな?」


ルイが里佳子に数学を教え、成と燭が数学と英語を互いに教え合い私は科学を自分で復習する形で勉強会を進行していると、不意に二人が会話を始めた。


「里佳子は頭悪いから大学は無理だよなー」


「お前捻り潰されてぇのか成?アタシはパソコン得意だからウェブ関係の専門にでもって考えてるけど」


意外だ。里佳子がパソコンが得意なのもそうだし、ちゃんと進路を考えているなんて。ついでに言うと、自分の得手不得手をしっかり把握して先を見る能力がある事も、かなり失礼だが意外だと感じてしまう。


「笑里顔に意外だって書いてあんぞ。お前も成共々捻り潰す」


「いひゃい、れふ」


思ったことがどうやら顔に出ていたらしく、里佳子に軽く頬を抓られて少しだけ頭に来て睨むと、里佳子がふん、と不敵に笑った。


「おー、ちゃんと怒れるようになったなぁ。結構可愛い」


「それに対してどうリアクションして良いかまでは良く分かってませんが、とりあえず、どうも」


『喜び』に続き『怒り』も取り戻した事をこうして喜んでくれている事は嬉しく思うが、どうにも最後の『可愛い』は馬鹿にされているような気がして答えに困る。


「笑里とルイはどうすんの?ってか、ルイは進学とか就職とか、考えらんねぇな」


私の頬から手を離した里佳子は、シャープペンシルをトントンとノートの上にぶつけながら首を捻った。