【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜

狭い部屋の中には独特の重苦しい空気が流れてる。それだけ、皆が真剣に燭の話を聞いているのだ。


「そうすれば何かが変わると思って、俺……リカちゃんを、無理矢理……」


「無理矢理、じゃねぇだろ!アタシだって合意した、だろ」


何もかもを自分のせいにする燭を見ていられなかったらしい里佳子が、庇うように声を上げる。それでも、燭は首を横に振るう。


「結局、上手く行かなかったじゃないか。リカちゃんはあれから俺を避けるようになって、でも、友達とも戻らなくて、三年に上がってからはクラスも変わったから、一緒にいなくなったし、このまま終わるんじゃないかと思ってた」


人は、どうしてお互いに想い合っていても上手く行かないのだろう。


そんな疑問は自分の中ですぐに解決する。それは、心があるからこそだ。後悔や、照れや、そんな想いがぐちゃぐちゃになるらこそだ。


その全てを想っているだけじゃ、相手には伝わらない。だからこそ、人は言葉の武器を使って時には互いを傷付けながらも受け入れる事が出来る生き物なのだ。


手段を持っているのに、武器を振るう術を知らなかった幼い二人。気持ちは変わらないのにそれは今も変わらない。


「俺ね、本当は近所の進学校を受験するつもりだったんだけど、リカちゃんがここを受けるのを聞いて、いつの間にか自分も受験しちゃってた。傍にいたかった。今度こそ守りたかったんだよ……だけど」


今にも泣きそうなか細い微笑みの燭を見ていられない。それと同時に、腹の底から熱が沸き上がる。沸き上がるこれは、私のどんな感情?