【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜

「じゃあ正直に言いますけど、燭は里佳子とどうして一定距離以上近付かないのですか?どうして今の状況をそのままにしてるんですか?」


「……こりゃ困った。えらくストレートなパンチだ」


言葉とは裏腹に、言われる事を覚悟していたような顔の燭。


日本人離れした彫りの深い顔は、夕日には溶け込まない。夕日すら燭という一人の青年を引き立てる材料にしかならないのだ。


「笑里ちゃんはさ、俺とリカちゃんが昔からの友人だって事は知ってるんだよね?」


「ええ。ついでに、恋人でもないのにする事済んでる事も、そのせいで気まずくなった事も、何故か学力の高い貴方が同じ高校にいるという疑問も、全部聞きましたよ」


全てを見透かしたような燭の態度が少しでも崩れないかと思いさらりと言うと、効果てきめん。


燭は漫画のように手からぽろりとボールペンを落とすと、ぽかんとした顔で私を見つめた。何故それを知ってるのか、と言わんばかりの顔。