里佳子からルイへ視線を移すと、それに気づいたらしいルイも私を見つめる。


天然石のような、重くも透き通った茶色のルイの瞳は、ふわふわに造られた同じ色の髪の毛と共に微かに揺らめいているよう。


それは、色んな疑問を含んだ人間そのものの顔。


「どうしてリカコとアカリは好き同士で一緒にいるのによそよそしいの?一般的な好き同士って、見てるこちらが痛いと思うくらいイチャイチャしているんじゃないの?」


「恋心というのはそういう単純なものばかりじゃないんですよ。事情があるんです」


「ふーん、変なの」


まだ、造られて間もないルイにはそれは少し難しいらしく、私の返答を聞いても疑問が解決しなかったらしく、首を傾げる動作をした。


そのルイの綺麗な瞳に映り込む私も、その答えが正しいという顔ではない。


この答えに関しては、里佳子や燭にしか分からないものが多くあるのだろう。