これまで犯した罪のことばかりで考えても見なかった矛盾点。私は、記憶が混濁している部分と向き合わなければいけない。


「アタシは笑里と母ちゃんのその事には出来れば首を突っ込みたくねぇ。他人だからな……でも、笑里が全部を取り戻す為なら、アタシは思い出さなきゃなんねぇと思うし、手助け、したいな」


ずっと黙っていた里佳子は、ストレートな思いを口にした。


「だってアタシ、お前のダチだもん。殺人犯だろうが少女Aだろうが、もうダチだもん。責任持って寄り添うのがダチだろーが」


「はは、リカちゃんはかっこいいや。俺も、乗りかかった船だし、片岡さんやルイをもう友達だと思っちゃってる。お節介を焼いても俺の勝手だよね?」


どうしてこう、この世界の人達はこんなに自分勝手で、こんなにも優しいのだろうか。


「俺は片岡が辛いなら忘れたままでも良いかなって今までは思ってたけどさ、ルイが造られた理由とか、最近の片岡見てて思うんだー。お前は真実と向き合うべきって。ま、後は以下同文で」


嶋山成が太陽よりも眩しい笑顔を向けると、里佳子や楠本燭の顔も綻ぶ。