【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜

電車を降りて海沿い、さびれた、罪と思い出を置いてきた町を歩くと、懐かしい感覚が込み上げる。


「悲しい色の、町だ。まるで町全体が泣いているみたい」


後ろを着いてきていた楠本燭が、足を止めてくすんだ海を眺めてぽつりと一言落とす。


「私がそうしてしまったのです。ここは、私が罪で染めてしまった町。育った場所。中学三年の冬のあの日まで住んでいた町です」


あの日、あの、全てが冷たい冬の日、私がその日からこの町をずっと冷たいままにした。


目的地の、この町を象徴するような荒れ果てた墓地の前で一度皆を振り返る。


「最終通告です。……ここまで来ておいて、ですが。きっと、この先に踏み込んだら私を軽蔑するでしょう。遠ざけたくなるでしょう。それでも、来ますか?」


ここで踏み止まって欲しいという本音と、でも、本当は一人は怖いと叫ぶ本音がぐちゃぐちゃに混ざり合ったまま告げる。


何も言わない。でも、皆のその無言と私を見るその目には、もう揺るぎない決意が滲んでいるのだ。