【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜

「エミリ、大丈夫?」


バツが悪くなり二人揃って嶋山成に言葉で攻撃を始めたその光景を遠巻きに見ていた私と隣のルイ。


ルイは、やはりどんどん人間らしい表情になっている。


美樹の昨夜の話だと、ルイはヒューマノイドロボットだけど感情を持てる存在らしいし、体以外はもう人間に限りなく近いのだろう。


「大丈夫なわけが無い、です。私は捨てたと思っていた感情を取り戻し始めてしまったんです。だから……正直怖い」


不思議と、ルイには弱音を吐露することが出来る。ルイは、何故か自分の体の、いや、心の一部のような感覚があるから。


ルイは返事の代わりに私の手に自分の手を重ね、瞼を閉じて私の肩に頭を預けた。


「ルイは、私に触れると泣き虫になりますね」


「それがボクの一番大事な機能だから」


瞼を閉じたままひと雫、また綺麗なものを落とすルイ。


昨日の嶋山成ではないけれど、ルイのこれはとても大切な何かな気がして、落とすのは勿体無いもののように、私にも思えた。