とりあえず寝て落ち着こうという楠本燭の提案に乗り、一旦女子と男子で解散。


ルイはそのまま私が使う筈だったベッドに寝かせ、私と里佳子は時間が遅いから部屋に付いたシャワーで体を綺麗にし、二人でひとつのベッドへ横たわった。


「はー、何か、色々ありすぎで頭ついて行かねぇわ」


修学旅行という特別な環境だったり、私のことだったり、ルイのことだったりでキャパオーバーになりつつある里佳子は、ボソッと呟いて布団に潜る。


「何だか、色々すみません」


「ホントにな。……まぁ、アタシは笑里が初めて笑ってくれたからそれで良いし、ルイがロボットだろうが何だろうが、別に何も変わんねーよ。だって、考えたって事実は覆らなくね?」


その言葉がどれほどの救いか、言葉には出来ない。こんなことが普通に言えるのは、きっと里佳子が真っ直ぐだからだ。


「ま、アタシらの中でごちゃごちゃ考える担当は燭だけで良いし。アタシ、頭悪いから考えるのやめたわ」


そういう里佳子だけど、私は里佳子は自頭は悪くないタイプのように思えるんだ。


そんな里佳子に気持ちが軽くなりながら、私は言葉を返すことなく瞼を閉じた。