あの時、何で必死に逃げなかったんだろうなぁ………。


結局、断るとなんかされるんじゃないかって思ったら怖くてNOとは言えず、つい首を縦に振ってしまった。


その時から私とみぃくんの奇妙な関係は始まった。













出会った時の事をつい思い出しながら相変わらず女の子を物色するみぃくんを見てこっそりため息をつく。


「どうしたの?ため息なんかついて。幸せ逃げちゃうよ。」


「何でもない………。」


こっそりため息ついたの気づかれた。


なんでなのかな………。


他の女の子ばっかり見てる癖にこうして私のちょっとした事にも気付いてくれるみぃくん。


みぃくんはズルい。


みぃくんはいつだって言う。


「トモダチって良いよな。」


「なんで?」


「ずっと一緒って感じじゃん?」


そういうものか?


トモダチでも離れていってしまう関係もあるけどな。
 

高校卒業する時とか絶対また連絡するからとか言っててもお互いに新生活始まっちゃったら少しずつ疎遠になったりとかね。


「だけどさーーー」


「ん?」


「俺のトモダチはナルだけだよ。」















みぃくんはやっぱりズルいと思う。


















ううん、残酷だと思う。