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結局、休み時間中にあたしが亜耶に恋愛相談をすることはなかった。


友達に妙な気をつかっている状態だけれど、あたしは亜耶との関係を壊したくなかった。


教室に戻ると、昨日同様に他のクラスや学年から女子たちが集まってきていてごった返していた。


あたしはその様子を遠目に見ながら「すごい人気……」と、呟いた。


その光景には亜耶も驚いているようで「本当だね」と、目を丸くした。


「ねぇ、亜耶は本当に川上君に興味ないの?」


「あたしは、恋愛とかよくわかんないから」


亜耶がいつもと同じ返事をする。


それはまるで決められたセリフをそのまま口にしているようで、違和感があった。


「亜耶は……」


『どんな人が好きなの?』


そう続けようとした時、教室に先生が入ってきて急に慌ただしくなった。


女子たちが慌てて教室を出て、自分の教室へと戻って行く。


「菜月?」


「ごめん。もう授業はじまっちゃうね」


あたしはそう言い、自分の席に着いたのだった。