正直、ここまで変わるなんて自分でも驚いている。


これからあたしは川上君と合流し、ヘビの入れ替えをする。


ここからあたしのイレモノとしての本番人生が始まるんだ。


懐かしい街並みを歩いていると、スーツを着た男に声をかけられた。


「すみません。○○芸能事務所の者ですが」


爽やかに微笑む青年に、なぜだか食欲が湧いた。


これもイレモノに必要なものなのかもしれない。


「もうモデルとかされていますか?」


そう聞いてくる青年にあたしは首をふった。


「いいえ。あたしはモデルじゃなくてイレモノです」


そう返事をして歩き出すあたしを、青年はキョトンとした顔で見送ったのだった。








END