でも、亜耶はそうじゃないのだろうか?


あまりに告白される回数が多いと、告白自体が大したものではなくなるのかもしれない。


あたしはぼんやりと亜耶の後ろ頭を見つめた。


告白してきた相手だけじゃない。


あたしは亜耶の事を何もしらない。


兄弟とか、親とか。


そういった話を亜耶の口から聞いた事がないのだ。


自然と、亜耶の家庭環境が難しいのかもしれないと思い込み、自分から聞く事もなかった。


でも、親友でいながら何も知らないなんて、おかしい。


今さらながらそんな気持ちが湧いてくる。


あたしは亜耶の何も知らない……。