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無言のまま歩いていると、いつの間にか見慣れた家の前に来ていた。


スマホを確認するが、亜耶からの返事はまだ来ていない。


不安が胸の中で膨れて行くのがわかる。


あたしとは裏腹に、目の前の川上君は自分の義務はちゃんと果たしたという雰囲気で、満足そうな笑顔を浮かべている。


川上君は、本当に亜耶が大丈夫だと思っているみだいた。


「どうして、好きな女の子が3人の男に連れていかれて平気な顔をしていられるの?」


あたしが聞くと、川上君はまたおかしそうに笑い声を上げた。


「言ったでしょ、あの子はとても強いから大丈夫だって」


「そんな……! それって精神面での話でしょ!? 力じゃ勝てるはずがなのに!!」


あたしがそう言うと川上君は左右に首を振った。


「精神面だけじゃないんじゃない?」


「え……?」


あたしはけげんな表情を浮かべて川上君を見た。


亜耶はごくごく普通の女の子だ。