亜耶と川上君は、その感覚に翻弄されていないだけ。


あたしは小さく息を吐き出した。


自分の常識を他人の常識と思い込み、押し付けるのは違う。


そして今日も、川上君は栞理に特別な感情を抱く事なく、2人で遊びに行ってしまったんだろう。


あたしは溶けかけたアイスを食べた。


亜耶も溶けかけのアイスを、美味しそうに食べている。


アイスはぬるくてまずかったけど、それが常識にとらわれたあたしの味覚なんだと思った。