「川上君と、一緒に」


亜耶の言葉に心臓が跳ねた。


ドクドクと嫌な汗が体中を巡っているような感覚。


「でも特別な感情はなにもない」


きっと、亜耶の言っていることは正しいんだろう。


亜耶も川上君も、特別な感情を意識しないままに動くんだろう。


でもそれは一般的な感覚からすれば誤解を招く行為だ。


あたしはそう思う。


2人きりでソフトクリームを食べるなんて、カップルや、カップルになりそうな男女のやることだ。


だけど、あたしは何も言えなかった。


一般的な感覚なんて、曖昧だ。


どこで線引きをされているかなんて、実際にはわからない。


人の感覚によって異なり、統一されていない事。