あたしは急に脱力して肺に残っている空気を一気に吐き出した。


「亜耶……ごめんね」


「どうして謝るの?」


亜耶が不思議そうな顔を浮かべてあたしを見つめる。


そのブルーの目に吸い込まれそうな感覚だ。


あたしはもう何度もこの感覚を味わっている。


亜耶には人を引きつける魅力がある。


だから、亜耶は特別仲良くしていない人からも告白を受ける。


「あたし……」


どう言えばいいか考えていた時、見知らぬ男子生徒が教室のドアの前に立ち、亜耶の名前を呼んだ。


あたしたちは自然とそちらへ視線を向ける。


真っ赤な顔をして緊張している男子生徒が亜耶と目が合い、余計に固まってしまったのがわかった。


少ししかない休憩時間に、勇気を振り絞って告白をしに来た。


というのがわかりすぎるほどにわかった。