――捨て犬っつーか、本当に捨て犬そのものだな。
そんな事を思いながら、優悟が隣に並ぶ舞衣を眺める。
夕飯を買うために寄ったコンビニで、優悟がパンやら軽食を選んでいると、隣に立っている舞衣が〝きゅーん……〟などという効果音が聞こえてきそうな顔をしてカゴの中を見てきて。
見るからに可哀想な顔をして見られたら、優悟も自分の分だけ買う事に、感じなくてもいいハズの罪悪感を感じてきてしまい。
結果、「あー……もう払ってやるから選べよ」と、どうせ千円にも満たない金額の事でもやもやするのも嫌だと口にした。
舞衣は、いらないいらないと何度も大げさに両手を顔の前で振っていたが、睨みつけるとようやく観念したのか、菓子パンをカゴに入れていた。
〝自分で払うから〟と何度も言っていたが、所持金三千円の女に払わせるのもどうかと思い、適当に頷きながらレジに持って行こうとしていたのだが。
「ふざけんな! なんで俺がそんなモン買わなきゃなんねーんだよっ」
「え、だって仕方ないじゃん……。今日の分ないんだもん。あとでパンの分と一緒にお金返すから。はい」
「はい。じゃねー! あ、勝手に入れんな、こらっ」
「じゃあ北川さんは私にノーパン……っふ、うー!」
「あほっ! コンビニで大声で変な事言うなっ!」
優悟が咄嗟に舞衣の口を塞ぐ。
店内にいた客からは視線が痛かったが、それはただうるさいという理由っぽく、セーフだと判断する。
それにしても、常識がなさすぎると、優悟が口を塞ぐ手をはがそうとする舞衣にため息を落とす。
よく言えば自由奔放なんだろうが、今まで関係した事がない人種なだけに、思いつかない言動ばかりで気が気じゃない。
とりあえず、ノーパンだとかいう変な単語を言わないと約束させてから舞衣を解放し、舞衣が勝手に入れた下着を一睨みしてから、カゴをレジに置いた。



