ワケあり彼女に愛のキスを



「好きなのに……適当にしか扱われた事なくて、それでもしがみつくしかできない、そういう女なんだよ……」
「それも知ってる。嫌ってほどな」
「優悟に想ってもらえるような女じゃないのに……っ」

「なのに、なんで……っ」と言った舞衣の頬を、溢れた涙が流れ落ちる。
それでもじっと見上げてくる舞衣を優悟も見つめ返し……「本当に、なんでだろうな」と自嘲するように少し笑うと。
苦しそうに歪んだ微笑みを浮かべたまま、舞衣の頬に手を伸ばした。
そして、涙を指で拭いながら、もう片方の手で舞衣の肩を抱き寄せ……。

「とりあえず、抱かせろよ」

普通のトーンでそう言い、舞衣の唇を塞いだ。
突然の言葉とキスに驚いた舞衣がドンドンと胸を押すも、優悟がキスを止める気配はなく。

「……んっ」

仕方なく舞衣が、抵抗を諦め大人しく優悟の舌を受け入れる。
そんな舞衣に、頭の中にぞくりとした感覚が走り、優悟が唇を合わせながら薄く目を開け、必死にキスを受け入れる舞衣を見つめた。

こんな事を強引にするつもりはなかった。舞衣の気持ちが秀一にあるのは一目瞭然だし、さすがにそんな状態で手を出す気にはならない。

舞衣が誰とでも平気で寝れるタイプなら話も別だが、生憎そういうタイプでもない。となれば、強引に仕掛けたところで抵抗されるのは目に見えているし……第一、悲しませたいわけじゃないから。

だから、今までだってキス止まりでいたというのに。

『優悟に想ってもらえるような女じゃないのに……っ』
泣き顔であまりに必死に訴えるように言う舞衣の表情に……秀一のためではなく、自分のために流された初めての涙に。
込み上げる想いが止められなくなっていた。