自白……供述調書

 結局、正月休みの間中部屋に篭り切りだった。

 ある程度はネット上から警察や検察の公開資料でリポートをまとめられたが、細かい部分は、やはり明日以降出社してからになりそうだ。

 それでも、かなり核心をついたリポートが出来たと森山は思った。

 九分九厘と言っていい。残りは裏付けの部分だ。

 間違い無くこれは戦える。

 被告人木山悟が冤罪かどうかという問題ではなく、森山にとっては裁判の場に於いて検察側と戦い切れるかどうかが問題であった。

 勝負が出来る……

 そう思わせる根拠を最初に見出だしたのは、検察側の論告文を読んだ時に感じた。

 勘、である。

 具体的なものは何一つ無かった。

 論告文全体から受ける、しっくりと来ない違和感。

 それが何処から来るものであるかを調べる為に、警察関係の資料以外にも、弁護人側の資料にも目を通した。

 皆、見落としてる……

 森山は強くそれを感じた。

 そして、裁判記録を読み返して行くと、尚更その思いを強くした。

 浮かんだ言葉は、

 杜撰……

 の一言だった。

 リポートをまとめ上げた夜、森山は自分が法廷の中で検察側を追い詰めている場面を夢に見た。まるでそれは、映画やドラマに出て来るヒーローのように喝采に包まれていた。

 こうして弁護士森山篤の新しい年が始まったのである。

 それは、決して報われる事の少ない戦いでもあった。