自白……供述調書

 警備待機室に出向くと、自分の他に処遇課長と医務課長代理、それに木山が収容されていた病舎担当の佐藤部長が居た。

 程無くして嶋村警備隊長がやって来て、木山悟が自殺に至った経緯を説明した。

「本日午前十一時頃、木山悟が自殺未遂を起こしました。
 その自殺方法ですが、自ら点滴の薬液投入速度を早め、予定された看護士巡回時間前に、この点滴の管を口にし、体内に空気を送り込みました。幸い、発見が早かった為、大事には至らず一命は取り留めてますが、現状は予断を許さない状況にあります」

「現在はどのように?」

 処遇課長がすかさず質問する。

「はい、ICU(集中治療室)に収容後、警備隊としては、最重要警備対象者として監視に当たっております」

「うむ」

「医療処置は?」

「はい、当直医師の他に、緊急に備え関連の医療機関へ連絡をし、状況悪化の際は何時でも即時対応出来るよう手配致しました」

「判った」

「発見時の様子を詳しく教えて頂けますか?」

「午前10時に予定の点滴を投与した後、通常の監視体制で木山を監視していましたが、警備待機室の監視カメラで異常行動を発見したのが点滴投与の約一時間後、直ぐさま医務課の職員に連絡をしたのが幸いしたようです。
 先に警備隊や保安課に連絡を入れていたら救命措置が間に合わなかったかも知れません。
 いずれにしましても、もうすぐ保安課長がお見えになり、今後の警備体制についての指示があるかと思いますので」

 栗田の気持ちは泡立つようであった。

 あれ程、木山に関しての警戒を厳重にと上申していたのに……

 現場で担当していた者は、今の話しぶりを聞く限り、自分達は最大限の仕事をしていたと報告するであろう。

 言葉の端々にそれが窺える。

 所詮、自分達に責任は無いと言い逃れをしているに過ぎない。

 憤りを感じながらも、それは自分へのものでもあった。