自白……供述調書

 事務所内は、年内に処理しておかなければならない業務が山積みで大童だった。

 森山だけがその慌ただしさから置いて行かれてるようで、今日も一日朝からデスクで事務処理ばかりやっていた。

 野間口妙子は朝一番に顔を出したかと思ったら、一時間とせずに出掛けている。

 もう一人の弁護士の高橋史郎も、引っ切り無しに掛かって来る電話の対応に追われている。

 代表の浅野は、午前中から民事訴訟の件で地裁だし、事務員達は公判資料の作成やらで休む間も無い程だ。

 何となく自分だけが置いてけぼりを喰らっている気分になっていた。

 パソコンの画面を忙しげにクリックしてはいるが、現実にはただそうしてるだけで、仕事をしている意識は低い。

 自分だけ楽な状態である事をラッキーと思える程の図太い神経は森山には無い。

 自分も何かをしなくてはという気持ちがずっと空回りしている状態だ。

 裁判記録の一覧を見ていた時、例の裁判についての部分に目が止まった。

 求刑 死刑。

 次回判決 1月20日10時

 森山は、閲覧を続けようかどうしようか一瞬迷った。

 だが、躊躇う心とは別な行動を右手はした。