控訴審の三回目。

 その日は私にとって散々な日だった。

 検察側の質問は苛烈を極め、少しでも私が答えるのに手間取ると、そこをいやと言う程に突っ込まれた。

 何度となく森山先生が

「異議あり!」

 と言ってくれたが、検事はまるで意に介さず。

 裁判長も検事とぐるにでもなってるのかと思いたくなる位な態度だ。

 質問の大半は、事件当日のアリバイと、自供したのは何故か、という点。

 何故かって?

 今更何故か?も無いだろう!

 拷問にも等しい事されたんだ!

 自白を強要されたんだぞっ!

 そう思い切り怒鳴りたかった。

 今日だけじゃなく、まだまだこれを繰り返さなきゃならない。

 堪えれるだろうか……