今日も斎藤さんに送ってもらって、ひとりでビクビクしながら帰宅することもなく、無事だった。
玄関先での別れ際に、我が家を見上げながら斎藤さんが漏らした。
「この前も思ったけど、随分と立派な家だな」
「あ、でももう築年数は結構……。それに、みんなすれ違いというか、あんまり家族で団欒することもないですから、だだっ広く感じちゃって」
ガランとした居間を思い浮かべて苦笑いすると、斎藤さんは見上げていた顔をゆっくりと私に向ける。
笑うでもなく、同情するでもなく。
言葉で上手く言い表せないけれど、全てを悟っているような表情で私と向き合う彼は、やっぱり静かに光を放つようだ。
「あ、あの。ありがとうございました。また明日……あっ。明日私、休みだった」
深く頭を下げた時にシフトを思い出した。
明日は休み。
そして、いつもと同じく予定は特にない。……でも。
不安な思いに押し潰されそうになったけど、そんな姿を見せたくなくて。
私は気丈に振る舞って無理やり笑顔を見せる。
「休み忘れてたなんて抜けてますね。明日はゆっくりします」
曇った表情をしてしまったのを見ていたであろう斎藤さんが、突然私の頭に手を置いた。
視線を上げた瞬間にはもう斎藤さんの胸の中で、軽く胸に顔を押し付けられる。
それから徐々に距離を戻していくと、彼はなにか考えてるような目で私を見下ろした。
少しの間、見つめ合う。
その時に感じる胸の鼓動は久々なときめきで、あまりに緊張して目が潤んでしまう。
そんな私を一瞬だけ目を大きくさせて見た斎藤さんは、まるで、我慢がきかなくなってしまったように、少し乱暴に後頭部を大きな手で捕まえた。
「――ほんと、調子狂う」
玄関先での別れ際に、我が家を見上げながら斎藤さんが漏らした。
「この前も思ったけど、随分と立派な家だな」
「あ、でももう築年数は結構……。それに、みんなすれ違いというか、あんまり家族で団欒することもないですから、だだっ広く感じちゃって」
ガランとした居間を思い浮かべて苦笑いすると、斎藤さんは見上げていた顔をゆっくりと私に向ける。
笑うでもなく、同情するでもなく。
言葉で上手く言い表せないけれど、全てを悟っているような表情で私と向き合う彼は、やっぱり静かに光を放つようだ。
「あ、あの。ありがとうございました。また明日……あっ。明日私、休みだった」
深く頭を下げた時にシフトを思い出した。
明日は休み。
そして、いつもと同じく予定は特にない。……でも。
不安な思いに押し潰されそうになったけど、そんな姿を見せたくなくて。
私は気丈に振る舞って無理やり笑顔を見せる。
「休み忘れてたなんて抜けてますね。明日はゆっくりします」
曇った表情をしてしまったのを見ていたであろう斎藤さんが、突然私の頭に手を置いた。
視線を上げた瞬間にはもう斎藤さんの胸の中で、軽く胸に顔を押し付けられる。
それから徐々に距離を戻していくと、彼はなにか考えてるような目で私を見下ろした。
少しの間、見つめ合う。
その時に感じる胸の鼓動は久々なときめきで、あまりに緊張して目が潤んでしまう。
そんな私を一瞬だけ目を大きくさせて見た斎藤さんは、まるで、我慢がきかなくなってしまったように、少し乱暴に後頭部を大きな手で捕まえた。
「――ほんと、調子狂う」



