メガネの奥の瞳が私を向いて、逸れることがない。
何かを見透かすような黒い瞳から、私も目を逸らすことが出来ないでいた。
ふ、と笑うのを止め、ジッと品定めされてるかのような視線を注がれ続けると、静かな空間のせいもあって、まるでときが止まっているような感覚に陥る。
不思議な瞳……。
まだ二度しか顔を合わせてないうえ、話だってまともにしたことのない相手なのに。
その揺らがない瞳を向けられると、心の奥まで見られているように思えて……。
同時に、なんだか自分の弱いところを曝け出してしまいそうで、ちょっと怖い。
困惑したまま、何も言えずに胸元をぎゅっと掴む。
すると、再び柔らかな雰囲気になった斎藤さんが、目を細めて笑った。
「インフォメーションは店の顔ですが、野原さんは問題ないですね」
「え?」
「いつもにこやかに接客されてるようですし、子どもも安心感を感じるみたいですし」
斎藤さんがそう言いながら、メガネを右手で軽く持ち上げるように直す。
滅多に褒められたりすることのない私は、どう反応すればいいのかわからなくて、片手を振っておどおどと答えた。
「あ、いや……あの子はたまたま……」
ぼそぼそと口ごもるように言うと、斎藤さんは「ふ」と短く笑って私の顔を覗き込む。
「あとはもう少し、自信を持てたらいいかもしれないですね」
「自、信……?」
「では。私は他のフロアに向かいますので。引き止めてしまってすみませんでした、野原さん」
触れてしまいそうな距離で囁くように言われた言葉に首を傾げる。
自信を持てたら、って言われても……具体的にどういうところを指してるのかな……。
疑問が浮かんだけど、彼はあっという間に階段を上って行ってしまった。
その足音をその場で遠くなるまで耳を澄ませる。
心臓がうるさくなっているのはどの理由から……?
そんなことを考えたけど、なんだか気持ちがざわつきそうで考えるのをやめた。
だって、それを考えてしまったら、私の頭の中が広海くん以外の男の人でいっぱいになってしまいそうだったから――。
何かを見透かすような黒い瞳から、私も目を逸らすことが出来ないでいた。
ふ、と笑うのを止め、ジッと品定めされてるかのような視線を注がれ続けると、静かな空間のせいもあって、まるでときが止まっているような感覚に陥る。
不思議な瞳……。
まだ二度しか顔を合わせてないうえ、話だってまともにしたことのない相手なのに。
その揺らがない瞳を向けられると、心の奥まで見られているように思えて……。
同時に、なんだか自分の弱いところを曝け出してしまいそうで、ちょっと怖い。
困惑したまま、何も言えずに胸元をぎゅっと掴む。
すると、再び柔らかな雰囲気になった斎藤さんが、目を細めて笑った。
「インフォメーションは店の顔ですが、野原さんは問題ないですね」
「え?」
「いつもにこやかに接客されてるようですし、子どもも安心感を感じるみたいですし」
斎藤さんがそう言いながら、メガネを右手で軽く持ち上げるように直す。
滅多に褒められたりすることのない私は、どう反応すればいいのかわからなくて、片手を振っておどおどと答えた。
「あ、いや……あの子はたまたま……」
ぼそぼそと口ごもるように言うと、斎藤さんは「ふ」と短く笑って私の顔を覗き込む。
「あとはもう少し、自信を持てたらいいかもしれないですね」
「自、信……?」
「では。私は他のフロアに向かいますので。引き止めてしまってすみませんでした、野原さん」
触れてしまいそうな距離で囁くように言われた言葉に首を傾げる。
自信を持てたら、って言われても……具体的にどういうところを指してるのかな……。
疑問が浮かんだけど、彼はあっという間に階段を上って行ってしまった。
その足音をその場で遠くなるまで耳を澄ませる。
心臓がうるさくなっているのはどの理由から……?
そんなことを考えたけど、なんだか気持ちがざわつきそうで考えるのをやめた。
だって、それを考えてしまったら、私の頭の中が広海くん以外の男の人でいっぱいになってしまいそうだったから――。



