嘘と正義と、純愛と。

――それから三日後。

待ちに待った休日。もちろん、何をするかはひとつだ。
この三日間、仕事後の少しの時間でも、もしかしたらどこかからかの帰宅時間とぶつかるかもしれないと思って通っていた。

だけど、やっぱり再会することは叶わなかった。
一期一会だなんて、たまに耳にするけれど、深くその意味を考えたり感じたりすることなんかなかった。

このまま、どれだけこの場所で彼を待ち望んでいたって、私たちの出逢いの瞬間はもう訪れることはないのかもしれない……と。

みのりさんに教えてもらった駅に朝早くにやってきたけど、いつの間にかもうとっくに日が落ちている。

星もほとんど見えない空を薄目で見上げ、彼との出会いを思い返す。
あの日。いつもと同じように、冴えない思考で憂鬱な気分のまま乗り込んだ電車。
そこで、サイアクなことに痴漢に遭遇した。

それを、助けてくれたのが、あの人で……。

あれがもし、彼じゃなかったら。
たとえば、別の誰かが助けてくれていたとしたら。

そんなこと今考えたって仕方ないかもしれない。でも、確実なことはひとつだけ。

――彼だから、恋に落ちた。
あの人じゃなきゃ、こんなふうに追いかけたりしてない。

記憶の中でさえも、何度も何度もあなたに惹かれ、その言い表せない引力に引き込まれる。

こんなに誰かを想う日が来るなんて想像もしなかった。
この感情を経験した時には、もう会えないかもしれないだなんて……。

人と人って、簡単に出会えるわけじゃないんだって痛感させられる。
何気ない日々が、尊いものなんだって気づいた時にどうしようもできないだなんて。

私、どうすればいいの?
ねぇ、教えてよ……イチヤさん。

『助けてほしい時は、大きな声でそう言え』