嘘と正義と、純愛と。

私はその足で駅へと向かった。
お昼なんてすっかり忘れて、ただひたすら、一分でも早く……と。

息を切らしながら改札を出て、あの日立っていた柱の元へと歩み寄る。
そっと寄りかかり呼吸を整えると、周りを静かに窺った。

……いない。そりゃそうだよね。そんな都合よく、すぐに会えるわけない。
それでも、〝もしかして〟という期待をしていたのは事実で。

抑えようとしても、やっぱり動悸が走ってしまう。
だって、ようやく近づいたんだもん。

高鳴る心音には逆らえない。
だけどその日、何十分、何時間経っても、待ち望んだ人の姿は見つけられなかった。

それでも私はそこから動くことをせず、ただ、置物のようにその場に居座っていた。
ようやく動き出したのは終電の時間。

翌日仕事を控えていた私は、渋々最終列車に乗って帰宅した。