背中からはっきりと聞こえた言葉。
誰かに頼れるって、こんなに心強かったんだ。
だけど、この状況……どうやって収拾すればいいの? 前に斎藤さんが言ってたのに。広海くんみたいなタイプには、男の人が立ち会っても解決しないって。
不安な眼差しで斎藤さんの横顔を見上げると、彼は全く焦りを滲ませる表情もせず。後ろ手でぎゅっと、私の右手を握った。
そして、斎藤さんは内ポケットから何かを取り出して、「ふ」と小さく笑う。
「暴力認めてくれたおかげで、いいものが録れた。あ、ちなみに彼女が『助けて』って言ったところもばっちり。これがあって、彼女の証言あれば、急迫性があったとみなされるから不法侵入にはならないかな」
斎藤さんが指で遊ばせてるものを見ると、どうやらICレコーダー。
もしかして、ずっと録音してたの? こんなことになるのを予想して?
あまりに準備がいい斎藤さんに拍子抜けしていると、さっきよりは少し真面目な声で彼が続けた。
「彼女が信じてる〝あんたの優しい心〟が欠片でも残ってるのなら、最後くらい茉莉にこんな顔させないで、ちゃんと受け入れて送り出してやれよ!」
「うっ……るさい!!」
カッとした広海くんが視界に入った瞬間に、次に取る行動が即座に予想できる。
その後は、頭で考えるよりも先に、身体が動いていた。
斎藤さんの前に立ちはだかり、彼を守ろうと両手を広げて広海くんを待ち構える。
一瞬の出来事だったから、広海くんも動きを止めることが出来なくて、私は思い切りこめかみを殴られた。
「い……ッ」
「ま、茉莉っ!」
受けた衝撃で右側へとよろけると、痛みに顔を顰める。
驚いた声で私の名前を呼んだ斎藤さんは、今までで一番動揺した様子で、私を後ろから支えて顔を覗き込んできた。
誰かに頼れるって、こんなに心強かったんだ。
だけど、この状況……どうやって収拾すればいいの? 前に斎藤さんが言ってたのに。広海くんみたいなタイプには、男の人が立ち会っても解決しないって。
不安な眼差しで斎藤さんの横顔を見上げると、彼は全く焦りを滲ませる表情もせず。後ろ手でぎゅっと、私の右手を握った。
そして、斎藤さんは内ポケットから何かを取り出して、「ふ」と小さく笑う。
「暴力認めてくれたおかげで、いいものが録れた。あ、ちなみに彼女が『助けて』って言ったところもばっちり。これがあって、彼女の証言あれば、急迫性があったとみなされるから不法侵入にはならないかな」
斎藤さんが指で遊ばせてるものを見ると、どうやらICレコーダー。
もしかして、ずっと録音してたの? こんなことになるのを予想して?
あまりに準備がいい斎藤さんに拍子抜けしていると、さっきよりは少し真面目な声で彼が続けた。
「彼女が信じてる〝あんたの優しい心〟が欠片でも残ってるのなら、最後くらい茉莉にこんな顔させないで、ちゃんと受け入れて送り出してやれよ!」
「うっ……るさい!!」
カッとした広海くんが視界に入った瞬間に、次に取る行動が即座に予想できる。
その後は、頭で考えるよりも先に、身体が動いていた。
斎藤さんの前に立ちはだかり、彼を守ろうと両手を広げて広海くんを待ち構える。
一瞬の出来事だったから、広海くんも動きを止めることが出来なくて、私は思い切りこめかみを殴られた。
「い……ッ」
「ま、茉莉っ!」
受けた衝撃で右側へとよろけると、痛みに顔を顰める。
驚いた声で私の名前を呼んだ斎藤さんは、今までで一番動揺した様子で、私を後ろから支えて顔を覗き込んできた。



