赤いエスプレッソをのせて
ミステリー・サスペンス
完
1
- 作品番号
- 118926
- 最終更新
- 2010/06/24
- 総文字数
- 74,559
- ページ数
- 183ページ
- ステータス
- 完結
- PV数
- 72,031
- いいね数
- 1
横たわっている。
虚ろに開いた瞳には
私が映っているけれど
それは
私を見ているんじゃない。
私はそこに
本当の意味で
映っているだけ……
彼は
死んでいる。
いや
死んでしまった。
違う
死なせてしまった。
違うっ。
本当は
殺してしまったんだ。
**********
肩に妹の幽霊を見る私が出逢ったのは
「殺してください」という変人だった
**********
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沢里尊 櫻仁 遠地 森ゆかり 藤乃 矢野 克彦 楊史……さん
レビューありがとうございます。
この作品のレビュー
□レビュータイトル これほどまでに完成された作品でありながら、未完成に感じられてならない。 それは何故か? 流れるように深く、強く書きなぐられた情景描写と行間が、作者の思いを容赦なく読者へと叩きつけてくる。 しかしながらその思いは、いまだ作者自身を満たす事なく、それでいて未消化なのだと感じられてならない。 だからこそ そのエスプレッソはとても苦く そのオレンジジュースはとても甘い 受け入れるだけの覚悟を持ち得るなら、活目して見よ。
妹や周りの人間の存在が、愛や悲劇、またミステリアスな展開を上手く作りだし、惹き付けてくれました。 しかしその中心にいるはずの主人公。 (これは私がそう読んだという話ですが)彼女は結局のところ、周りのそういう人達や展開を通して、自分自身を見つめていただけじゃないのか? という気がして、しかしそのアンバランスさ(と言っていいのか)がまた味になっている。 そして最後に見た彼の姿が、余韻を与えてくれること一入です。 贅沢をいうと、これも感性の問題かもしれませが、中盤から終盤にかけて。 「妹の存在」これをもう少し介入させてほしかったかなと。 序盤と比べて、物語の厚みにどうも隔たりがあるような気がするのです。 あとどうしても残念なのが、誤字の多さです。 見つけてしまう度に気が抜けてしまいますので。
この作品の感想ノート
蒼猫さん
この作品を読んでくださり、ありがとうございます。
そうですね。実はこれ、『死にオチ』という終わり方に、今、私は納得できてなくて、野いちごに公開するか悩んだんです。
違う未来も、あったんじゃないかって。
でも、これはこれで伝えたいものがあるんです。
美代は千代と離れます。と思えば、今度はショーを幻視するようになる。
自分と言うものを確立したいのに、ショーのお姉さんを演じたり、千代の次はショーに依存したり。美代は、どうやって立っていたいのか、どんな自分でいたいのか。主張したい気持ち、依存したい気持ち。両方のぶつかり合い。私はこれを野いちごにアップしたあと、彼女が、本当にひとりになるのはいつだろうか、いずれ、自分の足だけで立てる日がくればと思いました。
そしてショー。
美代のうそを知っていながら、それでも美代を姉と慕うショー。うそだと知っていたなら、美代が刺されたあとも、責任を感じなくてよかったのに、死んでしまったショー。
どれだけの時とどれだけの嘘とどれだけの現実でも、それでも、ショーはお姉さんを自分から切り離せなかった。
彼にとってお姉さんのは、死んでなお、偽物でもなお大きいということなんですが……
救いがたいストーリーです。
なにか感じてもらえれば思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
こんにちわ。こちらの作品に寄らせていただきました。
読みながら、この世界はどんな方向へ展開していくんだろうと、ずっと考えていました。美代はどこへ向かい、そしてショーはどこへ向かうんだろうと。
行き着いた先は、嗚呼・・と思わずにはいられなかったです。たぶん、なんとなくショーが病院をあとにした時点で、その後は美代の元を訪れなかった時点で、わかってたところもあったのかもしれないけれど、でもやっぱり、どうして?と思わずにはいられないところがありました。2人で歩き出していってほしかったなぁと。。そこに、本当の意味での望んだ未来があったのかも、わからないけれど。でも、たとえ未来のない未来であっても・・なんて、思っちゃいました。
最後まで、タイトルの意味はなんなのだろう?って思ってたのだけれど、結末まで読んでわかりました。美代は、そうして生きていくんですね。
いろいろ考えさせられる作品でした。長々書いてしまってごめんなさいです。また、よかったら読みに寄らせていただきますね。
永花 ふうさん
お返事遅くてすみません。
お読みくださり、本当にありがとうございます。
医療関係の方だそうで……
私は、特別そちらの教養は得てないので、永花さんのような方にそう言ってもらえると、書いた側として安心できます。
美代も、私の中ではだいぶ大きな存在なので。
些細なエピソードのほうが、ずっと、核心的な疑問に突き進んでくと思うんです。人間みんな「ふとした」思考のほうが冴えてて、「あ、そっか」って。
その部分に描いた葛藤などを汲みながらお読みいただいたみたいで、本当に感謝です。
ありがとうございました。
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