蟲狩り少女

☆☆☆

いつもの通学路には少し冷たくなってきた風が吹いている。


秋の薄い雲が真っ青な空の上を泳いでいるように見える。


「おはよう里音ちゃん」


途中で声をかけてきたのは偶然近所に住んでいたクラスメイトだ。


彼女の名前はリカちゃん。


昔女の子が遊んだリカちゃんようにかわいらしい、堀の深い顔をしている。


「おはようリカちゃん」


あたしは一旦立ち止まり、リカちゃんに挨拶をする。