「おい、霊道を正すって《当て》はあるのか!?」
先を歩いていた河村に走って並ぶと、双瀬は耳のピアスを弄りながら尋ねる。
「おい、その仕草やめろよ…気持ち悪い」
不機嫌極まりない表情で睨まれ、彼はギクリとした。
「あ…悪い」
大学時代から河村は双瀬のこの仕草を嫌っていて何度となく忠告されてきたのだが、緊張すると自然癖になっていて出てしまう。
1度この事について口論になり、喧嘩にまで発展した過去があった程だ。
その時は式神を使役した河村にこてんぱんにやられ、以来、双瀬は極力彼の前でしないよう気をつけていたのだが…。
(ふぅ…)
気付かれないよう小さなタメ息をついてピアスから指を離すと、胸ポケットからメガネを取り出し掛ける。
「コンタクトじゃないのか?」
「もう時間が遅いから外した。………何だよ」
「ふーん」
言ったきりじっと顔を見られ、双瀬はたじろぐ。
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