Darkness † Marker 4   【大禍時】

これを持っていれば大丈夫だと、そう思っていたのだろうか。



「…馬鹿だな」



小さく呟く。



「可愛いじゃねーの。素直じゃない所なんて、お前にそっくりだ」

「俺はあんなに意固地な性格じゃない」

そういうと、符呪紙をポケットに捩じ込んだ。


「おい、どこ行くんだ?」


玄関に向かう彼の背中に声をかける。

「さっさと霊道を元の状態に正してくる」

「その前に裕一郎の顔、見ていけよ」

「寝てるんだろ、朝までには片をつけて戻ってくるからいい。言いたい事もたくさんあるんだ、さっさと済ませてくるさ」

双瀬に向けた瞳の中に冷たい光が宿るのを見て、背筋に寒気が走った。


(うわっ、目がマジだよ。怒りを全部霊にぶちまけるのは構わんが、限度ってもんを考えろよ…河村)


そっと心の中で思う。


すると、


「おい、双瀬。何ボーっとしてるんだ」

「あ?」

「お前も来るんだよ。第三者の顔して俺を見送るな」


それだけ言うと、ふいと顔を背け部屋を出てった。


「ははっ…だよな」



(くそっ、おれまだ死にたくねーよ)



心の中で叫ぶが、今の河村には怖くて逆らえない。

双瀬は泣く泣く玄関に向かったのだった。

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