Darkness † Marker 4   【大禍時】



ドクン、ドクン…心臓の音がやけに大きく感じた。

糸は…まっすぐ伸びていたあの糸は、途中から切れてなくなっている。


「裕一郎、手ぇ出せ」


「…えっ?」


「右手だよ、痛くないのか」


双瀬に言われ、彼は自分の手に視線をやった。

自分では触(さわ)れないのに、アレには実体がある。

糸に引っ張られた勢いで切れた手からは、かなりの血が流れていた。


「うわっ」


恐怖の方が大きかったからか、痛みに全く気付かなかった自分に驚く。


「全く…これくらいの怪我で済んで良かったよ…」


「どうして双瀬さんがここに?」


タオルで止血をしてくれている双瀬に、裕一郎は尋ねた。

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