その頃。
河村や双瀬から逃げるように駅へ向かった裕一郎は、電車が来るまでの時間ホームの売店で飲み物を買って飲んでいた。
「あれ、如月じゃないか、おはよう!!」
声をかけられ振り向くと、元気いっぱいの啓太が立っている。
「おはよう」
「どうしたんだ、いつもより登校早くない?」
普段HRギリギリにしか学校に来ない裕一郎が、なぜこの時間ここにいるのか…啓太は不思議そうな顔をしていた。
「ちょっと事情があってね」
曖昧に答えると、裕一郎は飲みかけのドリンクを一気に飲み干す。
「啓太はこの時間の電車に乗ってるんだ」
「うん、混雑するのが嫌だから。所でさ…如月。お前、朝から何飲んでんの?」
「何って、見ての通り《栄養ドリンク》だけど」
「そうじゃなくて、どうして普通のよりランクが高いやつ飲んでるんだって聞いてんの…」
「あぁ、そういう事…昨日の夜、眠れなかったから疲れがとれなくて体がだるいんだ…今日は体育の授業もあるし、飲んでおけば少しは違うかなと思って」
裕一郎はタメ息まじりに答えた。
すると、それを聞いた啓太の顔がなぜか突然、ぼぼぼっと赤くなる。
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