☆
「わっ!!」
事務所を飛び出して、左へ曲がった瞬間、出会い頭に誰かとぶつかり裕一郎は道路に尻もちをつく。
「痛―っ」
「お、裕一郎じゃねーか。大丈夫か?」
すっと目の前に差し出された手に、彼は視線をあげた。
頭にタオルを巻いた、スウェット姿の男が見下ろしている。
「あ、双瀬さん…おはよう」
「どうしたんだ、朝早くから慌てて。遅刻…って時間じゃ、まだないよな」
チラリと腕時計に目をやった双瀬は、裕一郎に手を貸して起こしてやりながら首を傾げる。
「えっと…その…」
口ごもる姿に、彼はピンときたようだ。
「その様子だと、まだ昨夜の件で河村と仲直りしてないのか?」
「仲直りって…別に喧嘩してないし」
「ふぅん、ならいいんだけどな」
いつでも見透かしているような双瀬に、裕一郎はバツが悪そうな顔をすると鞄を拾い上げる。
「オレ、学校に行かなきゃ」
「おう、気をつけて行けよ」
「行ってきます」
裕一郎は見送る彼に軽く頭を下げると、再び駅に向かって走りだした。
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「わっ!!」
事務所を飛び出して、左へ曲がった瞬間、出会い頭に誰かとぶつかり裕一郎は道路に尻もちをつく。
「痛―っ」
「お、裕一郎じゃねーか。大丈夫か?」
すっと目の前に差し出された手に、彼は視線をあげた。
頭にタオルを巻いた、スウェット姿の男が見下ろしている。
「あ、双瀬さん…おはよう」
「どうしたんだ、朝早くから慌てて。遅刻…って時間じゃ、まだないよな」
チラリと腕時計に目をやった双瀬は、裕一郎に手を貸して起こしてやりながら首を傾げる。
「えっと…その…」
口ごもる姿に、彼はピンときたようだ。
「その様子だと、まだ昨夜の件で河村と仲直りしてないのか?」
「仲直りって…別に喧嘩してないし」
「ふぅん、ならいいんだけどな」
いつでも見透かしているような双瀬に、裕一郎はバツが悪そうな顔をすると鞄を拾い上げる。
「オレ、学校に行かなきゃ」
「おう、気をつけて行けよ」
「行ってきます」
裕一郎は見送る彼に軽く頭を下げると、再び駅に向かって走りだした。
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