Darkness † Marker 4   【大禍時】


(失ってからじゃ遅い…そんなの分かってるさ)


自嘲的な笑みを浮かべると、河村は玄関のドアを閉めた。


フワリ。


「?」


ノブに光るものを見つけ、ふと眉根を寄せる。



「赤い…糸」



昨夜同様、触ると消えた《それ》に彼は、もしやと裕一郎の部屋のドアを開けた。

その瞬間、唖然とする。


(何だ、これは………?)


河村は思わずゴクリと唾を飲んだ。

そこには今までのものとは明らかに違う、長い糸が足元に落ちていたのだ。

これが裕一郎についているものだとしたら、本人が気付かない訳がない。


(あいつの身に何が起こってる?…こんな事を黙っているなんて、一体何を考えてるんだ!!)


そこでふと思い出す。


先ほどのキツく握りしめていた右手。

どう考えても、何か隠しているとしか思えない。



「くそっ!!」



河村は慌てて裕一郎の後を追った。

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