「すみれ先輩は、一人なんかじゃないです。俺だって…すみれ荘のみんなだって、"家族"です」
鈴屋君の言葉に、
私の目にじわりと涙が滲んだ。
「……うん…。家族…だよね」
「…っす」
鈴屋君はニッコリ笑うと、
袖で涙を拭ってくれる。
「先輩。星って、地球からどの位の距離にあるか知ってますか?」
「てっ、天文学…?分かんないなぁ…」
私は突然の質問に目を丸くする。
「近いもので500光年、遠いもので1500光年も離れているんです」
「こ、光年…?」
知らない単位に私は戸惑う。
でも、なんでそんな話を…?
「星って、遠ければ遠いほど歩いても歩いても、ついて来ているように見えますよね?」
鈴屋君の問に、私は思考を巡らせる。
確かに、歩きながら星を見上げても、
あんまり動いたようには見えない。
当たり前過ぎて、そんなこと考えたこともなかったかも…。
「……亡くなった人は、星になるって、よく言いますけど、それって、どんなに遠くにいても、ずっと大事な人を見守っているってことだと思うんです。だから…先輩の御両親も、先輩の幸せを願って、見守っていると思います…多分」
最後の方は、少し自信なさげに言う。
星が見守っていてくれる…。
私の両親も……。


