「ニヤニヤすな!」
「いてっ」
悠希のご両親に別れを告げて、
電車に乗り込んでもニヤニヤを止めない悠希をこつんと叩く。
朝からずっとこんな感じ…。
私はジト目で悠希を見る。
でも……悠希が楽しそうだと、私も楽しい…かな。
ふっ、と息をつく。
ずーっと、心のどこかで両親の事が突っかかってたから、誰かがずっとそばにいてくれるなんて、嬉しすぎて…。
「すみれだって、ニヤニヤしてるじゃん」
「私はいいの」
「なにそれ〜」
繋いだ手がギュッとされる。
本当に、幸せだなぁ…。
惚気になってしまいそうな顔を、
必死に抑えてすみれ荘へと家路を急いだ。


