彰の言葉には、一点の曇りもなかった。




ただ、強くて、真っ直ぐで、純粋だった。





誰かに言わされているとか、刷り込まれているとか、そんな感じは全くしなくて。




自分の頭でじっくりと考えて、答えを出したことなのだ、と伝わってきた。





だからこそ、あたしはなんだか、切ないくらいに…………腹立たしかった。





自分でも驚くくらいに低い声で、彰に向かって言う。






「………なにそれ、ぜんぜん分かんない。


他の誰かを救うためなら、誰かが死んでも構わないの?

誰かを救うためなら、自分の命を失ってもいいの?


………そんなの、おかしいよ。」






一気に言うと、彰は困ったように眉を下げた。






「………君の言うことも、理解できるよ。


でもね、今は、そうでもしなければ、この国を救えないんだ」






彰は幼子をあやすような手つきで、あたしの髪をくしゃくしゃと撫でた。




なんだか子供扱いされたみたいで腹が立って、あたしは「勝手に言ってろ!」と怒鳴って走り出した。