妖刀奇譚






唐突すぎて理解が追いつかなく恐怖を覚える余裕もなかったというのもあるが、どこか安心していたところもあった。


思葉は胸のあたりをさする。



「そうだね……玖皎が受け止めてくれるって分かってたのかも」


「はあ?」


「冗談だって、でもありがとう、おかげでどこも痛くないわ」



険しい顔になった玖皎に素早くお礼を言って、思葉は無異であることを示した。


玖皎はまだ何か言おうと口を開いたが、いい言葉が思いつかなかったらしく、形にならない感情を飲み込んで横を向いた。


立ち上がり前髪を掻きあげながら、ぶっきらぼうな口調になる。



「……それで、どういう言葉なんだ」


「へ?」


「繋がったんだろう、いんたーねっとに」


「なんだ、玖皎だって気にしてたんじゃん」


「うるさい」



思葉は小さく笑って画面を見た。


そこに表示されている文字を読んで目を丸くする。


どうしてか頬が赤らんだ。


琴が玖皎に『檆葉丸』の名を与えたのは、当時の鎺に杉の葉の透かしがあったからだと聞いた。


だから彼女がその名を思いついたのに花言葉は関係しない、そもそも平安時代に花言葉など存在しなかったのだから。