妖刀奇譚






心配する玖皎の声に返事をして、思葉は一番下の枝を掴まえた。


ずっと前、來世や彼の兄にアドバイスしてもらったことが身についており、難なく登ることができた。


落ちないように足を幹に引っかけ、ページを更新してみたが、まだ駄目だった。


もう一本登ってみたが結果は変わらず。


ふと下の方へ目を向けてみると、両袖に手を差し込んだ玖皎が不安そうに見上げていた。



「どうだ?」


「まだ繋がらないー」


「もう止めて、諦めて降りたらどうだ?


それ以上登るのは危ないぞ」


「んー、あと一本だけ」



そこでも駄目だったら諦めることにする。


幹の凸凹に足を掛け、思葉は下から三本目の枝に座った。


足をぶらぶらしながら再読み込みのボタンを押す。


しかしまたもや『このページは表示できません』の青い文字。


唇を尖らせ、思葉は幹に手をつきながらスマートフォンを持った手を上に高く伸ばす。


すると、白いページに薄緑色がついた。


ようやく繋がったのである。



「あ、開けたよ、玖皎」



言いながら下を向いたが、そこに玖皎の姿は見当たらない。


反対側に居るのか、そう思って後ろを見たとき、はずみで身体が傾いだ。



(え?)